
「ゼロイエ」という言葉を聞いて、正直なところ怪しいと感じた方も多いのではないでしょうか。
家の値段が0円なんて、普通に考えればあり得ない話ですから、裏に高額な請求があるのではないかと疑ってしまうのも無理はありません。
実際にネット上の評判や口コミを調べてみても、様々な意見があって何が本当なのか迷ってしまいますよね。
私自身も不動産投資には慎重なタイプなので、タダより高いものはないという言葉が頭をよぎり、最初はかなり警戒していました。
しかし、空き家問題という日本の現状や所有者のリスクについて深く調べていくうちに、この仕組みにはしっかりとした経済合理性があることが分かってきたのです。
この記事では、単なる噂レベルの話ではなく、具体的なコストやリスクの観点からゼロイエの実態に迫っていきたいと思います。
この記事のポイント
- 0円物件が存在する本当の理由と所有者の悩み
- タダでも発生する税金やリフォーム費用の真実
- セミナー参加に顔出しが必要な理由と運営の本気度
- 資金や信用のない個人が資産を作るための具体的な手順
ゼロイエの評判は怪しい?0円で家を取得する仕組み
まず最初に、なぜ「家が0円でもらえる」という非常識な取引が成立するのか、その仕組みについて解説します。
結論から言うと、これは魔法や裏技の類ではなく、不動産市場における需給バランスの崩壊が生み出した歪みを利用したものです。
表面的な「0円」という言葉だけを見ると怪しく感じますが、その裏にある所有者の事情を知れば、ビジネスとして成立している理由が見えてきます。
0円の空き家が生まれる背景と所有者の切実な事情

日本国内には今、凄まじい勢いで空き家が増え続けています。
特に地方の古い戸建てに関しては、住む人がいないのに毎年固定資産税がかかり続けるという、まさに「負動産」と化しているケースが珍しくありません。
所有者からすれば、売ろうと思っても買い手がつかず、かといって解体して更地にしようとすれば数百万円の費用がかかってしまいます。
さらに、管理が行き届かず特定空家に指定されると、固定資産税が跳ね上がったり、最悪の場合は行政代執行で強制的に解体されたりするリスクもあります。
こうした状況に追い込まれた所有者にとっては、「タダでもいいから誰かにもらってほしい」というのが切実な願いなのです。
つまり、ゼロイエで物件をもらうということは、ラッキーで手に入るわけではなく、所有者が抱える「痛み(維持管理の手間や税金)」を肩代わりするという側面があります。
この「痛みの解消」こそが、0円取引が成立する経済的な根拠なんですね。
ゼロイエは税金がかかる?隠れた費用の真実
ここで絶対に勘違いしてはいけないのが、「0円で取得できる」ことと「お金がかからない」ことはイコールではないという点です。
実は、たとえ物件価格が0円だったとしても、取得して自分のものにするためには様々な費用が発生します。
不動産投資初心者は特に最初はここを見落としがちですので、先に計算しておく必要があります。
0円取得でも発生する主な費用
- 贈与税
個人から無償で譲り受けた場合、その物件の評価額に対して課税されます
(参考:国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」) - 不動産取得税
不動産を取得したこと自体にかかる地方税です - 登録免許税
所有権を移転するための登記費用です - 司法書士報酬
登記手続きを専門家に依頼する場合の手数料です - リフォーム費用
住める状態にするための修繕費が必要です
特に贈与税や不動産取得税は、市場価格が0円であっても、固定資産税評価額に基づいて計算されるため、思わぬ出費になることがあります。
また、ゼロイエのQ&Aでも触れられていますが、取得した物件によってリフォーム費用は大きく異なります。
つまり、「物件代はタダだけど、初期費用として数十万円から百万円程度は用意しておく必要がある」というのが現実的なラインです。
これを隠して「完全に無料です」と言うようなら詐欺ですが、ゼロイエではこうした税金やコストについても説明があるようなので、その点は誠実だと言えますね。
事故物件やシロアリ被害の家でも投資対象になる理由

0円で譲渡されるような物件には、当然ながら何らかの「訳あり」な理由が含まれていることが多いです。
例えば、過去に事件や事故があった心理的瑕疵物件(事故物件)や、シロアリ被害がある物件、あるいはトイレが汲み取り式のままの物件などです。
普通の感覚なら「絶対に買いたくない」と避けるところですが、投資家の視点で見ると少し話が変わってきます。
ゼロイエの考え方としては、「十分に割安なら対象になる」というスタンスのようです。
シロアリ被害があっても、その駆除費用や修繕費用を計算に入れた上で、それでも収益が出ると判断できればGOサインが出せます。
事故物件であっても、相場より家賃を下げれば入居したいという人は一定数存在します。
重要なのは物件の綺麗さではなく、「トータルで見て利益が出るか」という冷徹な計算なんですね。
人の嫌がる物件をあえて引き受けるからこそ、利益の源泉が生まれるとも言えます。
顔出し必須や遅刻厳禁のルールが示す運営の本気度
ゼロイエのセミナー詳細を見ていて驚いたのが、参加ルールの厳しさです。
Zoomセミナーに参加する際は「カメラ付きパソコンで顔出し必須」となっており、しかも10分以上の遅刻は入室不可と明記されています。
一般的な無料セミナーや怪しい情報商材の勧誘だと、とにかく人を集めたいので「耳だけ参加OK」とか「スマホで気楽に」といった緩い募集が多いですよね。
しかし、あえて敷居を高くしている点に、運営側の「本気の人以外はお断り」という姿勢が見て取れます。
不動産取引は相手(売主)があることですから、信頼関係が何よりも重要になります。
顔も見せられない人や時間を守れない人に、大事な物件の交渉や契約を教えるわけにはいかないという理屈は、個人的には非常に納得がいきました。
冷やかしを排除している分、参加者の質は担保されていると言えるのではないでしょうか。
講師の杉田 卓哉氏とカネコツトム氏の経歴を検証
教えてくれる講師陣についても少し調べてみました。
メイン講師の杉田 卓哉氏は、「マネー総研所長」として活動されており、会社員時代に不動産投資でリタイアした経歴を持っています。
『空室率70%でもキャッシュが回る非常識な不動産投資術』などの著書もあり、いわゆる一発屋ではなく、長期的に活動されている投資家のようです。
杉田氏の活動は多岐にわたり、YouTubeチャンネル『空き家起業家|椙田拓也のビジネス大学』を開設して情報発信しており、登録者数は2万人にも上ります。
また、もう一人の講師であるカネコツトム氏も『「空き家」で儲ける! 驚異の利回り100%不動産投資術』などの著書を出版されています。
保有資格は中小企業診断士や宅建士、マンション管理士など、不動産に関連する堅い資格を多数保有しています。
特にカネコ氏はご自身で「借金しないゼロ円ゲット法」を開発されたとのことで、実務的なノウハウはこの方が担当されているようですね。
資格を持っているから絶対に安心というわけではありませんが、少なくとも法的な知識や実務経験に基づいた指導が期待できそうです。
ゼロイエの評判から判明した失敗しない投資法

ここまでは仕組みや運営実態について見てきましたが、ここからは「実際に自分が取り組むとしたらどうなのか?」という視点で掘り下げてみます。
評判やセミナー情報を分析すると、成功するための具体的なロードマップが見えてきました。
副業でも可能?月に2回の活動で大家になる方法
私のようなサラリーマンにとって最大のネックは「時間の確保」です。
平日は仕事で忙しいのに、空き家探しなんてできるのかと不安になりますよね。
しかし、ゼロイエのQ&Aによると、活動時間の目安は「1ヶ月に2日間(終日)の現地訪問」ができれば構わないとされています。
これなら、土日や祝日を使って月に1〜2回活動するだけで済むので、副業としても十分に現実的です。
もちろん、現地に行かない日はネットでのリサーチや所有者への手紙書きなどの作業が必要になるでしょうが、毎日何時間も拘束されるわけではありません。
自分のペースでコツコツ進められる点は、忙しい現代人にとって大きなメリットだと言えます。
自宅から90分圏内で0円物件を探すべき理由

「日本全国どこでもできますか?」という疑問に対し、推奨されているのは「自宅から90分圏内」での取り組みです。
これには明確な理由があります。
近場エリアを推奨する理由
- 通いやすさ:リフォームや管理のために通う際の交通費と時間を節約するため
- 土地勘:地元の事情や家賃相場を肌感覚で理解している方が有利だから
- トラブル対応:何かあった時にすぐに駆けつけられる距離感が重要だから
0円物件があるような過疎地や遠隔地に手を出すと、見に行くだけで交通費がかさみ、結局赤字になってしまうリスクがあります。
まずは自分の足で通える範囲から探し始めるのが、失敗しないための鉄則と言えそうです。
「東京都心や大阪中心地等でない限り出来る」とのことなので、少し郊外に住んでいる方ならチャンスは十分にあります。
借金なしで始める不動産投資のメリットとリスク
一般的な不動産投資では、銀行から数千万円の融資(借金)を受けてアパートなどを購入します。
これは「レバレッジ」を効かせるという意味では有効ですが、金利上昇リスクや空室リスクで返済が滞るという恐怖と隣り合わせです。
一方、ゼロイエの手法は「借金なし・自己資金なし(物件取得費)」でスタートすることを前提としています。
最大のメリットは、「借金の返済がないため、家賃収入がそのまま利益になりやすい」ことと、「破綻するリスクが極めて低い」ことです。
万が一、入居者が決まらなくても、ローン返済に追われることがないので精神的に非常に楽です。
ただし、リスクがゼロというわけではありません。
先ほども触れたように、固定資産税や修繕費といった「維持コスト」は確実にかかります。
出口戦略(売却や賃貸)をしっかり描いておかないと、ただの「金食い虫」を抱え込むことになりかねないので、そこは注意が必要です。
年間家賃36万円を目指す現実的な収支計画

では、具体的にどれくらい儲かるのか、皮算用をしてみたいと思います。
ゼロイエの実績ベースでは、家賃収入は「年額で36万~72万円が多い」とされています。
月額に直すと、3万円~6万円程度です。
「えっ、それだけ?」と思った方もいるかもしれません。
しかし、初期費用(登記やリフォームなど)を仮に50万円かけたとしても、年間36万円の家賃が入れば、利回りは72%にもなります。
約1年半で元が取れて、それ以降はずっと利益になり続ける計算です。
一般的な不動産投資の利回りが数%〜10%程度であることを考えると、この数字は驚異的です。
一攫千金で億万長者になるような話ではありませんが、「小さくても確実なキャッシュフロー」を積み上げていく堅実な投資だと言えるでしょう。
ゼロイエの評判を検証して分かった資産構築の結論
ここまでゼロイエの評判や仕組みについて深掘りしてきました。
結論として、ゼロイエは「楽して儲けたい人」には全くおすすめできません。
0円で物件を取得するためには、所有者との交渉や泥臭いリサーチ、そして税金などの知識が必要です。
しかし、「資金や信用はないけれど、やる気と行動力だけはある」という人にとっては、これ以上ない資産構築の手段になり得ます。
私たちが抱える「お金がない」という弱みを、「手間をかける」という強みでカバーできる唯一の方法だからです。
もしあなたが、リスクを抑えながら不動産オーナーへの第一歩を踏み出したいと本気で考えているなら、まずはセミナーでその具体的なノウハウを確認してみる価値はあると思います。
もちろん、最終的にやるかやらないかはあなた次第ですが、知っているのと知らないのとでは、将来の選択肢が大きく変わるはずです。
注意
※本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。不動産取引には個別の事情により様々なリスクが伴います。最終的な投資判断や契約に関しては、専門家にご相談の上、自己責任で行ってください。