最近よく耳にするようになった新NISA。将来のために何か始めたいと思ってはいるものの、積立nisaの始め方や具体的なやり方がわからず、一歩を踏み出せない初心者の方も多いのではないでしょうか。
特に、新nisaを始めるタイミングとして、積立nisaは今始めるべきか、それとも少し待つべきか悩むところです。
例えば、始めるタイミングが株価の下落時や円安の今で本当に良いのか、今からnisaを始めるのはもう遅いのではないか、といった疑問が頭をよぎるかもしれません。
また、積立nisaの買い方や、手間をかけて口座開設後の始め方を調べても、もし口座開設後に放置したらどうなるのか、そもそも元本割れするリスクはありますか?という根本的な不安を感じることもあるでしょう。
この記事では、そうしたあなたのあらゆる疑問や不安に一つひとつ丁寧にお答えします。NISAの基本から、具体的な始め方、そして最も気になる「いつ始めるべきか」という問題まで、この記事を読めばすべてが明確になります。
- 新NISAと旧NISA、何が違う?
- 新NISAのメリット・デメリットと元本割れのリスク
- 初心者でも分かる積立NISAの具体的な始め方と買い方
- 株価下落時や円安など、NISAを始めるタイミングの考え方
- 50代からでも遅くない理由と年代別の活用法
新nisaは今始めるべきか?積立nisaのやり方をわかりやすく解説
記事のポイント
- 新NISAと旧NISA、何が違うの?3分でわかる簡単解説
- 新NISAのメリットとデメリットを正直に解説
- 元本割れするリスクはありますか?
- 初心者向け積立nisaの始め方とやり方
- 積立nisaの具体的な買い方を3ステップ解説
- 口座開設後の始め方と初期設定のポイント
- 口座開設後に放置するとどうなるのか解説
【超初心者向け】新NISAと旧NISA、何が違うの?3分でわかる簡単解説
2024年から始まった新NISAは、個人の資産形成を支援するための新しい税制優遇制度です。
従来のNISA制度が、より使いやすく、より多くの人が長期的な資産形成に取り組めるように大幅に刷新されました。
新NISAとは?:2つの投資枠の紹介
新NISAは、以下の2つの投資枠から成り立っており、これらを併用することが可能です。
- つみたて投資枠
年間120万円まで投資可能です。主に、金融庁が定めた長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象です。毎月コツコツと積み立てていく、安定した資産形成を目指す方に適しています。 - 成長投資枠
年間240万円まで投資可能です。投資信託のほか、個別の上場株式やETF(上場投資信託)など、より幅広い商品に投資できます。つみたて投資枠よりも柔軟に、まとまった資金で積極的にリターンを狙いたい方に適しています。
新NISAと従来のNISA制度との違い
新NISAは、2023年までの「つみたてNISA」や「一般NISA」といった従来の制度と比べて、いくつかの大きな違いがあります。
比較項目 | 新NISA (2024年~) | 従来のNISA (~2023年) |
制度の併用 | 併用可能 | 一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選択 |
年間投資上限額 | 合計で最大360万円 ・つみたて投資枠:120万円 ・成長投資枠:240万円 | ・一般NISA:120万円 ・つみたてNISA:40万円 |
生涯非課税限度額 | 1,800万円 | ・一般NISA:最大600万円 ・つみたてNISA:最大800万円 |
非課税保有期間 | 無期限 | ・一般NISA:最長5年 ・つみたてNISA:最長20年 |
制度の期間 | 恒久化(いつでも利用可能) | 期間限定の制度 |
売却枠の再利用 | 可能(売却により保有額が減った分は再投資可) | 不可 |
主な変更点のポイント
- 併用が可能に
従来は「一般NISA」と「つみたてNISA」のどちらか一方しか選べませんでしたが、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を同時に利用できるようになり、より柔軟な投資戦略が可能になりました。 - 投資上限額の大幅な拡大
年間投資額が最大360万円、生涯にわたる非課税の限度額が1,800万円と、従来の制度に比べて大幅に引き上げられました。 - 非課税期間の無期限化
従来は非課税期間に限りがありましたが、新NISAでは無期限となり、期間を気にすることなく、より長期的な視点での資産運用が可能になりました。
簡単に言うと、「つみたてNISA」や「一般NISA」は2023年までの旧制度の名称であり、2024年からはそれらの特徴を引き継ぎつつ、さらにパワーアップした「つみたて投資枠」と「成長投資枠」から成る新NISAという一つの制度に統合された、と理解すると分かりやすいでしょう。
ただし、旧制度の保有資産はそのまま非課税で保有可能であり、新NISAに統合されるわけではなく、旧制度と新制度は別枠で管理されます
新NISAのメリットとデメリットを正直に解説
NISA(少額投資非課税制度)を活用する最大のメリットは、投資で得た利益に税金がかからない点にあります。
通常、株式や投資信託の売却益や配当金には20.315%の税金が課されますが、NISA口座内での取引であれば、利益がまるごと手元に残ります。
例えば、投資で10万円の利益が出た場合、通常の課税口座では約2万円が税金として引かれ、手取りは約8万円になります。
しかし、NISA口座であれば10万円をそのまま受け取ることが可能です。この差は、投資額が大きくなるほど、また運用期間が長くなるほど、無視できない金額となります。
2024年から始まった新NISAでは、この非課税の恩恵を生涯にわたって受けられるようになりました。
非課税で保有できる上限額も合計1,800万円と大幅に拡大され、一度売却しても翌年以降に非課税枠が復活するため、ライフイベントに合わせて柔軟に資産を活用できます。
一方で、デメリットや注意点も理解しておくことが大切です。
最も重要なのは、NISAはあくまで投資であり、預金のように元本が保証されているわけではないという点です。
また、NISA口座で発生した損失は、他の課税口座(特定口座や一般口座)で得た利益と相殺する「損益通算」ができません。
これらの点を踏まえると、NISAはメリットが非常に大きい制度ですが、投資である以上リスクは伴います。
そのため、制度の特性を正しく理解した上で活用することが、賢い資産形成への第一歩と言えるでしょう。
項目 | メリット | デメリット・注意点 |
税金 | 運用益(売却益・分配金)が非課税になる | 損失が出ても他の口座と損益通算できない |
非課税枠 | 生涯で1,800万円まで利用可能 | 年間の投資上限額がある(合計360万円) |
制度期間 | 恒久化され、いつでも始められる | ― |
売却 | いつでも売却可能、非課税枠も翌年復活 | 短期間での売買は長期投資のメリットを損なう可能性 |
元本 | ― | 元本保証ではない(価格変動リスクがある) |
元本割れするリスクはあるのか?
はい、NISAは投資であるため、購入した金融商品の価格変動により、投資した金額(元本)を下回る、いわゆる「元本割れ」のリスクは存在します。
これはNISAに限らず、株式や投資信託など、価格が変動するすべての金融商品に共通する特性です。
投資信託の価格(基準価額)は、国内外の経済情勢や金利の動向、企業の業績など、さまざまな要因によって日々変動します。
景気が良ければ価格は上昇する傾向にありますが、逆に景気が悪化すれば価格は下落する可能性があります。そのため、購入したタイミングよりも価格が下がった状態で売却すると、元本割れが生じることになります。
しかし、このリスクをゼロにすることはできなくても、適切にコントロールし、低減させる方法はあります。それが、資産形成の王道といわれる「長期・積立・分散」投資です。
長期・積立投資で時間のリスクを分散
一度に大きな金額を投資するのではなく、毎月コツコツと同じ金額を積み立てていくことで、購入タイミングを分散できます。
価格が高いときには少なく、安いときには多く購入することになるため、平均購入単価を平準化させる効果が期待できます。
これを「ドルコスト平均法」と呼びます。また、運用期間が長くなるほど、一時的な市場の変動の影響を受けにくくなり、安定したリターンが期待できるようになります。
分散投資で資産のリスクを分散
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。
これは、投資先を一つの商品や国・地域に集中させるのではなく、複数の対象に分けて投資することの重要性を示した言葉です。
例えば、全世界の株式に投資する投資信託を1本購入するだけで、自動的にさまざまな国や地域の多様な業種の企業に資産を分散させることが可能です。
これにより、特定の地域や業界が不調であっても、他の好調な地域の資産がカバーしてくれる効果が期待できます。
これらのことから、元本割れのリスクは確かに存在しますが、長期的な視点で積立と分散を心がけることで、リスクを管理しながら資産形成を目指すことが十分に可能であると考えられます。
初心者向け積立nisaの始め方とやり方
NISA、特に少額からの長期投資に向いている「つみたて投資枠」は、投資が初めての方でも安心して始められるように設計されています。
複雑に感じるかもしれませんが、実際の手順は非常にシンプルで、大きく分けて4つのステップで完了します。
ステップ1:金融機関を選ぶ
まず、NISA口座を開設する金融機関を決めます。NISA口座は、1人1つしか開設できません(年単位での金融機関変更は可能)。
主な選択肢としては、SBI証券や楽天証券といったネット証券、銀行、対面型の証券会社などがあります。
初心者の方には、手数料が安く、取扱商品が豊富で、オンラインで手軽に手続きが完結するネット証券が人気です。
各社で取扱商品数やポイントサービスなどが異なるため、ご自身のライフスタイルに合った金融機関を選ぶとよいでしょう。
ステップ2:口座を開設する
利用したい金融機関を決めたら、NISA口座の開設を申し込みます。
ほとんどの金融機関では、スマートフォンやパソコンからオンラインで手続きが可能です。
画面の指示に従って個人情報を入力し、本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)をアップロードすれば、申し込みは完了します。
申し込み後、金融機関と税務署での審査が行われ、通常1〜3週間ほどで口座開設が完了します。
ステップ3:投資する金融商品を選ぶ
口座が開設できたら、いよいよ投資する商品を選びます。
新NISAの「つみたて投資枠」で購入できる商品は、金融庁が定めた基準をクリアした、長期・積立・分散投資に適した投資信託やETF(上場投資信託)に限定されています。
そのため、初心者の方が大きく失敗しにくい商品が予め厳選されています。
人気が高いのは、全世界の株式に分散投資する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や、アメリカの主要企業500社に投資する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などのインデックスファンドです。
ステップ4:積立金額を設定する
最後に、毎月いくら積み立てるか、金額を設定します。金融機関によっては月々100円や1,000円といった少額から始めることが可能です。
まずは家計に無理のない範囲で、余剰資金から金額を設定しましょう。
積立金額は後からいつでも変更できますので、慣れてきたり、収入が増えたりしたタイミングで増額を検討するのも良い方法です。
以上の4ステップで、誰でも簡単に積立投資をスタートできます。一度設定してしまえば、あとは自動で買い付けが行われるため、手間なく資産形成を続けられます。
積立nisaの具体的な買い方を3ステップ解説
NISA口座の開設が完了したら、実際に投資信託を買い付けるための設定を行います。この積立設定も、3つの簡単なステップで完了します。一度設定すれば、あとは自動で投資が進むので、最初の設定を丁寧に行いましょう。
ステップ1:購入する投資信託を選ぶ
まず、数ある商品の中から、自分が積み立てていきたい投資信託を具体的に1つ、あるいは複数選びます。
前述の通り、全世界の株式にまとめて投資できる「全世界株式(オール・カントリー)」や、今後の成長が期待される米国市場に投資する「S&P500インデックスファンド」は、初心者にとって最初の1本として非常に人気があります。
これらの商品は、1本で世界中の多くの企業に分散投資できるため、リスクを抑えながら世界経済の成長の恩恵を受けることを目指せます。
商品の詳細ページでは、どのような対象に投資しているか、過去の値動き、そして保有期間中にかかるコスト(信託報酬)などを確認できるので、しっかり目を通してから選ぶことが大切です。
ステップ2:毎月の積立金額と頻度を決める
次に、毎月いくら投資するか、積立金額を決めます。新NISAの「つみたて投資枠」では、年間120万円まで、つまり月々最大10万円まで投資が可能です。
しかし、最初から上限額を目指す必要はありません。多くのネット証券では100円から設定できるため、まずは「失っても生活に影響がない」と思える無理のない金額からスタートするのが賢明です。
例えば、月5,000円や1万円から始めて、慣れてきたら徐々に金額を増やしていくと良いでしょう。
また、積立の頻度も選べます。「毎月」積立が一般的ですが、金融機関によっては「毎週」や「毎日」といった細かい設定も可能です。
ただし、長期的に見れば、積立頻度の違いによる運用成果の差はごくわずかであるため、初心者のうちは管理しやすい「毎月」で問題ありません。
ステップ3:引き落とし方法を設定する
最後に、積立資金をどのように支払うかを設定します。
一般的なのは、指定した銀行口座からの自動引き落としです。給与が振り込まれる口座などを設定しておけば、入金の手間が省けて便利です。
最近では、クレジットカードで積立を行う「クレカ積立」に対応した金融機関が増えています。クレカ積立の大きなメリットは、積立額に応じてポイントが貯まる点です。
例えば、還元率0.5%のカードで毎月5万円積み立てると、年間で3,000円分のポイントが貯まります。
これは、実質的にリターンを上乗せするのと同じ効果があります。貯まったポイントをさらに投資に回すこともできるため、より効率的な資産形成を目指すなら、クレカ積立の活用を検討する価値は大きいでしょう。
口座開設後の始め方と初期設定のポイント
NISA口座が無事に開設されると、いよいよ投資をスタートできます。
口座開設後にまず行うべきは、具体的な積立投資の設定です。
この初期設定を完了させることで、あとは自動的に資産形成が進む仕組みが整います。いくつかのポイントを押さえて、スムーズに始めましょう。
まず、NISA口座で買い付けを行うには、証券口座に資金を入金する必要があります。
銀行口座からの自動引き落としやクレカ積立を設定すれば、毎回の入金手続きは不要になります。これが最も手間なく継続できる方法です。
次に、積立設定の画面では、どの口座区分で買い付けるかを選択します。
ここで「NISA(つみたて投資枠)」または「NISA(成長投資枠)」を必ず選んでください。
間違えて「特定口座」や「一般口座」を選ぶと、利益が非課税にならないため注意が必要です。多くの金融機関では、NISA口座での取引が分かりやすく表示されているので、確認しながら進めましょう。
積立のタイミングについても設定します。多くの金融機関では、毎月の積立日を指定できます。
例えば「毎月10日」のように日付を指定したり、「給料日後の25日」など、自分の資金管理のしやすい日を選ぶと良いでしょう。
クレジットカード積立の場合は、カード会社や証券会社が指定した日に決済と買付が行われることが一般的です。
これらの初期設定は、一度行えば後からいつでも変更が可能です。
ライフステージの変化や収入の増減に合わせて、積立額を見直したり、投資商品を追加・変更したりと、柔軟に調整していくことができます。
大切なのは、まず第一歩として少額からでも積立設定を完了させ、投資を「開始」させることです。
口座開設後に放置するとどうなるのか解説
結論から言うと、NISA口座を開設しただけで何もせずに放置しても、口座管理手数料などがかかることは基本的にありません。
そのため、金銭的なデメリットが直接発生するわけではないので安心してください。
しかし、NISA口座を放置することには、非常にもったいない「機会損失」という大きなデメリットが潜んでいます。
NISAの最大の魅力は、非課税で投資ができるという国が用意してくれた有利な制度です。
この制度を使わずに時間を過ごすことは、本来得られるはずだった利益や、資産が効率的に増えていく「複利の効果」を得るチャンスを逃していることになります。
例えば、毎月3万円を年利5%で30年間積み立てると、元本1,080万円に対して運用益が約1,417万円となり、合計で約2,497万円に増える可能性があります。
もし最初の1年間、口座を放置してしまい、運用期間が29年になると、最終的な資産は約2,357万円となり、約140万円もの差が生まれます。
このように、始めるのが遅れるほど、将来得られるリターンは小さくなってしまうのです。
また、NISAの非課税投資枠は年間最大360万円と決まっており、使わなかった分を翌年に繰り越すことはできません。
つまり、2025年に投資を始めなければ、2025年分の非課税枠はそのまま消滅してしまいます。
これらのことから、NISA口座を開設したら、放置せずにできるだけ早く少額からでも積立設定を行い、投資を開始することが、将来の資産を育てる上で非常に重要であると言えます。
積立nisaのやり方を理解し新nisaを今始めるべきか
- 新nisaを始めるタイミングはいつ?今始めるべきか
- 株価下落時が始めるタイミングとして最適?
- 円安の今始めるべきか?為替の影響を解説
- 50代からでも今からnisaを始めるのは遅い?
- 積立nisaのやり方を理解し今始めるべきか判断
新nisaを始めるタイミングはいつ?今始めるべきか
多くの人が悩む「NISAを始めるべきタイミング」ですが、あらゆる専門家が口を揃えて言う答えは、「思い立ったが吉日。
できるだけ早く始めるべき」です。これは精神論ではなく、資産形成の仕組みに基づいた明確な理由があります。
その最大の理由は、投資期間が長ければ長いほど「複利の効果」を最大限に活用できるからです。
複利とは、投資で得た利益を元本に加えて再投資し、その合計額に対してさらに利益が生まれる仕組みのことです。
雪だるまが転がっていくうちにどんどん大きくなるように、運用期間が長くなるほど資産は加速度的に増えていく傾向にあります。
例えば、毎月3万円を年率5%で運用した場合のシミュレーションを見てみましょう。
35歳から65歳までの30年間運用すると、最終的な資産額は約2,497万円に達します。
一方、始めるのが10年遅れて45歳から20年間運用した場合、資産額は約1,233万円にしかなりません。
投資元本は360万円しか違いませんが、複利の効果によって最終的な資産には倍以上の差が生まれるのです。
また、前述の通り、新NISAの非課税投資枠は年間で使える上限が決まっており、未使用分を翌年に持ち越すことはできません。
つまり、始めるのを1年先延ばしにすると、その1年分の貴重な非課税枠をまるごと失うことになります。
市場の価格は常に変動しており、「ベストなタイミング」を正確に予測することはプロの投資家でも不可能です。
そのため、タイミングを計ろうと時間を無駄にするよりも、一日でも早く投資を始めて長期運用のメリットを享受することのほうが、将来の資産を築く上で遥かに賢明な判断と言えるでしょう。
株価下落時が始めるタイミングとして最適?
「株価が下がっている時に始めれば、安く買えるからお得なのでは?」と考えるのは、自然なことです。
実際に、価格が下落している局面は、同じ投資額でより多くの口数(投資信託の単位)を購入できるため、将来価格が回復した際には大きなリターンを期待できる「買いのチャンス」と捉えることもできます。
しかし、ここで重要なのは、「いつが底値なのか」を正確に予測することは誰にもできないという事実です。
下落したと思って購入したら、そこからさらに下落し続ける可能性も十分にあります。逆に、底値を待っているうちに株価が反転・上昇してしまい、結局買い時を逃してしまうケースも少なくありません。
このようなタイミングの問題を解決してくれるのが、定期的に一定額を買い続ける「積立投資(ドルコスト平均法)」です。
積立投資を続けていれば、価格が高いときも安いときも自動的に買い付けを行うため、結果的に購入単価が平準化されます。
むしろ、価格が下落している期間も淡々と積み立てを続けることで、平均購入単価を効果的に引き下げることができます。
つまり、積立投資を前提とするならば、株価が下落しているかどうかを過度に気にする必要はありません。
下落局面は「安く買える特売日」と前向きに捉え、逆に上昇局面でも一喜一憂せずに、決まったルールでコツコツと買い続ける「継続」こそが、長期的な成功への最も確実な道筋となります。
始めるタイミングを見計らうことに頭を悩ませるより、一日でも早く積立を開始し、市場の変動を味方につけるほうが合理的です。
円安の今始めるべきか?為替の影響を解説
「円安の時に海外の資産に投資を始めると、高値掴みになるのではないか」という懸念も、もっともな疑問です。
実際に、為替レートは海外の資産に投資する際のパフォーマンスに影響を与えます。
例えば、米国の株式に投資する投資信託を購入する場合を考えてみましょう。
円安(例:1ドル=150円)の時に購入すると、円高(例:1ドル=130円)の時よりも、同じ1ドルの資産を買うために多くの円が必要になります。
つまり、円安は海外資産を円建てで見た場合に割高に感じさせる要因となります。
しかし、株価のタイミングと同様に、為替レートの今後の動きを正確に予測することは非常に困難です。
円安がさらに進む可能性もあれば、円高に転じる可能性もあります。為替の動きを読んで投資のタイミングを計ろうとすることは、二重の難しさに挑戦するようなものです。
ここで再び重要になるのが、「長期・積立・分散」の考え方です。
全世界株式型の投資信託のように、投資対象が世界中に分散されている商品の場合、さまざまな通貨への投資が自然と行われます。これにより、特定の通貨の変動リスクが緩和されます。
さらに、積立投資によって購入時期を分散させることで、為替レートの変動リスクも時間的に平準化させることが可能です。
円安の時も円高の時も定期的に購入を続けることで、長期的には為替レートの変動による影響を抑え、投資対象資産そのものの成長によるリターンを追求することができます。
したがって、現在の為替水準だけを見て投資の開始をためらう必要はありません。為替の短期的な動きに一喜一憂するのではなく、長期的な視点で資産を育てるという本来の目的に集中し、コツコツと積立を始めることが賢明です。
50代からでも今からnisaを始めるのは遅い?
結論から言うと、50代からNISAを始めるのは全く遅くありません。
むしろ、セカンドライフを見据えた資産形成の重要な一手となり得ます。その理由は、現代が「人生100年時代」と言われていることにあります。
50歳の方がこれから投資を始めても、日本の平均寿命を考えれば、30年以上の運用期間を確保することも十分に可能です。
一般的に長期投資と言われる10年や20年といった期間を大きく上回ります。
65歳で退職するとしても、それまでに15年間の積立期間があり、その後もすぐに全ての資産を取り崩すわけではありません。
運用を続けながら少しずつ使っていくことで、資産寿命を延ばすことができます。
むしろ50代は、子育てが一段落したり、住宅ローンの返済の目処が立ったりと、家計にゆとりが生まれやすい時期でもあります。
退職金など、まとまった資金をどのように活用するかを考えるタイミングでもあるでしょう。
こうした資金をNISAの非課税メリットを活かして運用することで、預貯金としてただ保有しているだけの場合に比べて、インフレによる資産の目減りを防ぎつつ、効率的に資産を育てられる可能性があります。
もちろん、20代や30代から始める場合に比べて運用期間は短くなるため、よりリスクを抑えた運用を心がけることが大切です。
例えば、株式だけでなく債券も組み合わせたバランス型の投資信託を選ぶなど、安定性を重視した商品選びが鍵となります。
年齢を理由に諦めるのではなく、「今」が自分にとって最も若い日であると捉え、これからの豊かな人生のためにNISAを活用した資産形成を始めることを強くお勧めします。
積立nisaのやり方を理解し今始めるべきか判断
この記事では、新NISAの基本から具体的な始め方、そして多くの人が悩む「始めるタイミング」について解説してきました。
ここで、重要なポイントを改めて整理し、あなたが今NISAを始めるべきかどうかの判断材料としてください。
- 新NISAは運用益が非課税になる大変有利な制度
- 非課税で保有できる上限は生涯で1,800万円
- 制度は恒久化され、いつでも自分のペースで始められる
- 売却しても非課税枠は翌年以降に復活し再利用可能
- 投資であるため元本保証はなく、価格変動リスクがある
- 損失が出ても他の課税口座と損益通算はできない
- リスクは長期・積立・分散投資でコントロールできる
- 始め方は金融機関選びから積立設定まで4ステップで簡単
- 初心者には手数料が安く商品が豊富なネット証券が人気
- 月々100円などの少額からでもスタート可能
- クレカ積立を活用すればポイントも貯まりお得
- 始めるタイミングは「今すぐ」が最適解
- 長期投資による複利効果を最大限に活かせるため
- 株価や為替のタイミングを正確に読むことは不可能
- 積立投資なら価格変動や為替リスクも時間で分散できる
- 50代からでも人生100年時代では決して遅くない
これらの情報を踏まえ、NISAは特別な知識や多額の資金がなくても、誰でも始められる資産形成の強力なツールであることがお分かりいただけたかと思います。
将来のお金に関する漠然とした不安を解消する第一歩は、制度を正しく理解し、無理のない範囲で行動を起こすことです。
もし、あなたがこの記事を読んで
「NISAを始めてみよう」と少しでも感じたのであれば、具体的な金融機関選びへと進んでみてください。あなたの未来を豊かにするための、確かな一歩となるはずです。