不動産投資に興味を持ち始めたものの、実際に大家になるには資金がどれくらい必要なのか、具体的なイメージが湧かずに悩んでいませんか。
自分の年収で融資が引けるのか、あるいは手頃な戸建て投資なら少額で始められるのか、それとも結局は修繕費などがかさんで儲からないのではないかと、不安は尽きないものですよね。
ネットで検索しても、莫大な資金が必要だと言われたり、逆に資金ゼロでもいけると言われたりと、情報が錯綜していて何が真実か分からなくなってしまうこともあるでしょう。
この記事では、これから大家業を志す方が知っておくべき資金のリアルな目安と、具体的な調達戦略について、私の経験も交えながら分かりやすく解説します。
この記事のポイント
- マンションやアパート経営に必要な初期費用の具体的な相場目安
- 物件価格以外にかかる諸経費と自己資金の理想的なバランス
- 資金が少ない人でも大家業を始めるための融資戦略と公庫の活用
- キャッシュフロー破綻を防ぎ長く利益を出し続けるための資金管理術
資金の壁を感じて諦める前に知ってほしいこと
「資金がないと無理」と思っていませんか?
実は、普通の会社員でもステップを踏めば資産は築けます。資金ゼロからでも不動産オーナーを目指すための、全体像とロードマップを知ることから始めましょう。
大家になるには資金がいくら必要か目安を解説
まずは、大家業をスタートさせるために必要な「入場料」とも言える初期費用について、具体的な数字を見ていきましょう。
一口に不動産投資と言っても、購入する物件の種類や規模によって、必要な資金は天と地ほどの差があります。
ここでは、代表的な物件タイプごとの相場観と、絶対に忘れてはいけない諸経費について整理します。
マンション経営の資金目安と相場
鉄筋コンクリート造(RC造)のマンション一棟を経営する場合、これはもう立派な事業規模になりますね。
一般的に、新築でRC造のマンションを建てる場合の建築費は、坪単価で100万円から120万円程度が目安と言われています。
もし土地を持っていない状態で、都内に土地を購入して新築マンションを建てるとなれば、総事業費は軽く1億円を超えてくるでしょう。
「えっ、1億円?」と驚かれるかもしれませんが、これは長期的に安定した収益を生むための投資額なんですね。
法定耐用年数が47年と長いので、金融機関から35年以上の長期ローンを引きやすいというメリットがあります。
資金力があり、長期的な資産形成を目指す方にとっては王道の選択肢ですが、最初の一歩としてはハードルが高いのも事実です。
中古の区分マンション(一室投資)であれば、数百万円から数千万円で始められますが、一棟物に比べると得られる家賃収入の規模は小さくなります。
アパート経営に必要な初期費用
次に、木造や軽量鉄骨造のアパート経営についてです。
こちらはマンションに比べると建築コストが抑えられるため、個人の投資家さんが最初に目指すことが多いゾーンですね。
建築費の目安としては、木造で坪単価70万円〜80万円、軽量鉄骨造で80万円〜90万円といったところが相場でしょうか。
例えば、60坪の土地に木造2階建てのアパートを建てるなら、建築費だけで4,000万円から5,000万円程度は見込んでおく必要があります。
土地から購入する場合は、これに土地代が乗っかってきますから、総額では7,000万円〜8,000万円規模になることも珍しくありません。
ただし、アパートはマンションよりも利回り(投資額に対するリターン)が高くなりやすい傾向があります。
初期投資を抑えつつ、キャッシュフロー(手残り現金)を重視するなら、中古アパートを狙うのも一つの賢い戦略ですよ。
アパート建築費の相場観については以上の通りですが、年収別に「いくらまでなら安全に始められるか」の具体的なラインについて、さらに詳しくシミュレーションしました。
諸経費と自己資金の必要額
ここが非常に重要なポイントなのですが、物件価格だけを用意しても大家にはなれません。
物件購入時には、登記費用や税金、仲介手数料といった「諸経費」が必ず発生します。
一般的に、諸経費は物件価格の7%〜10%程度かかると見ておいた方が良いでしょう。
そして、銀行から融資を受ける際にも、最近は物件価格の1割〜2割程度の頭金を求められることが増えています。
自己資金の目安(25%ルール)
- 頭金(物件価格の20%)
融資審査を通過しやすくし、返済比率を下げるために必要です。 - 諸経費(物件価格の5%〜)
仲介手数料、不動産取得税、登記費用など、基本的に現金払いが必要です。
つまり、トータルで見ると総事業費の20%〜25%程度の現金(自己資金)を用意するのが、安全圏と言われているんです。
1億円の物件なら2,500万円、5,000万円の物件なら1,250万円ですね。
「そんな大金ないよ!」と思われるかもしれませんが、これはあくまで理想的な安全ラインの話です。
後ほど、資金が少ない場合の戦い方もお話ししますので安心してくださいね。
不動産投資の融資と頭金の関係
「なぜ頭金を入れないといけないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
フルローン(全額借入)で買えた方が、手出しがなくて良いような気がしますよね。
しかし、頭金を入れることには明確なメリットがあるんです。
最大の理由は、毎月の返済額を減らしてキャッシュフローを良くするためです。
借入額が減れば、当然ながら毎月の返済負担は軽くなりますから、空室が出たり家賃が下がったりした時の耐久力が上がります。
また、金融機関に対しても「私はこれだけ計画的に貯蓄をしてきました」という信用を示すことになり、金利優遇を受けやすくなることもあるんですよ。
最近は「スルガ銀行問題」以降、銀行の審査が厳しくなっているので、ある程度の頭金を用意できるかどうかが、融資の土俵に乗れるかの分かれ道になっています。
融資の審査基準は金融機関によって異なりますが、全国対応で利用者が多い「滋賀銀行」などの具体的な審査基準を知っておくと、準備すべき属性の目安が見えてきます。
ランニングコストと修繕費の積立
物件を買うまでの資金に目が行きがちですが、大家業は「買ってから」がお金のかかる本番です。
入居者が決まれば家賃が入ってきますが、そこから様々な経費が出ていきます。
管理会社への委託料、固定資産税、共用部の電気代や清掃費などですね。
これらとは別に、絶対に確保しておかなければならないのが「修繕費」です。
退去時の原状回復費用や、エアコン・給湯器の故障による交換費用は、忘れた頃にやってきます。
さらに、10年〜15年に一度は外壁塗装や屋上防水などの大規模修繕が必要になり、これには数百万円単位の資金がかかります。(参考:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」)
ランニングコストの注意点
一般的に、家賃収入の20%〜30%は経費として消えると考えておきましょう。
満室想定の表面利回りだけで計算していると、実際の運営で「手元にお金が残らない!」という事態に陥りかねません。
日々の家賃収入をすべて使ってしまうのではなく、将来の出費に備えてプールしておく資金管理能力が、大家には求められるのです。
資金なしから大家になるには資金調達が重要
ここまで読んで、「やっぱりお金持ちしか大家になれないのか…」と肩を落とされたかもしれません。
確かに、資金が潤沢にある方が有利なのは間違いありません。
しかし、工夫と戦略次第では、少ない自己資金からスタートすることも不可能ではありません。
ここでは、資金が少ない方がどうやって大家業への切符を手にするか、そのアプローチ方法について解説します。
資金なしでアパート経営は可能か
結論から言うと、完全に「手出しゼロ」でアパート経営を始めるのは、今の市況ではかなり難易度が高いです。
かつてはオーバーローン(物件価格+諸経費まで借りる)が横行していた時期もありましたが、今はほとんどの銀行がやりたがりません。
一方、いまだに銀行評価の高い物件と属性がはまればフルローン融資を実行する銀行は少数ですが存在します。
自身で銀行評価が期待できる物件を探すことは限りがあるため、フルローン融資を受けたい場合は不動産会社に協力を依頼した方が無難です。
または、「共同担保」を活用することで、現金の持ち出しを抑える方法はあります。
もし、ご実家の土地や、ローンを完済した自宅などをお持ちであれば、それを担保として銀行に差し出すことで、信用力を補完できる場合があります。
また、金利は高くなりますが、ノンバンク系の金融機関を利用するという手もあります。
ただし、金利が高いと毎月の返済額が増えるため、手元に残る利益(キャッシュフロー)が出にくくなる為、利回りが高い物件を購入して手元に残る利益を確保する事が大事です。
「借金が怖い」「資金がない」人への解決策
「今の自己資金ではアパート一棟買いは厳しい…」と感じたとしても、不動産投資を諦める必要はありません。
いきなり多額の借金をするのが怖い方は、まずは1万円からプロに運用を任せる「少額不動産投資」で、リスクを抑えてスタートする方法がおすすめです。
資金調達方法と日本政策金融公庫
サラリーマン大家や、資金が少ない初心者にとって強い味方となるのが「日本政策金融公庫(公庫)」です。
公庫は国が100%出資している金融機関で、民間の銀行が貸しにくいような小規模事業者や創業者を支援する役割を持っています。
特に「女性、若者、シニア」での起業や、地方の築古物件の購入に対して、比較的柔軟に相談に乗ってくれる傾向があります。(参照:日本政策金融公庫)
- 固定金利で安心
融資期間中の金利が変わらないため、返済計画が立てやすいのが特徴です。 - 築古物件にも融資が出やすい
耐用年数を超えた物件でも、事業性(ちゃんと儲かるか)を評価して融資してくれることがあります。 - 融資期間は短め
ただし、融資期間は10年〜15年と短くなることが多く、毎月の返済額は大きくなりがちです。
公庫を活用して小さく実績を作り、そこから徐々に規模を拡大していくというのは、多くの成功している大家さんが通ってきた道でもあります。
大家の年収と資金計画の関係
銀行が融資審査をする際、物件の収益性と同じくらい重視するのが、借入人であるあなたの「属性」、つまり年収や勤務先です。
一般的に、都市銀行や地方銀行でアパートローンを組む場合、年収500万円〜700万円以上がボーダーラインと言われることが多いですね。
年収が高いほど、「もし空室が出て家賃が入らなくなっても、給料から返済できるだろう」と見なされるため、融資が引きやすくなります。
逆に、年収がそこまで高くない場合はどうすれば良いでしょうか。
その場合は、高額な新築アパートを狙うのではなく、身の丈に合った価格帯の中古物件や戸建てから始めるのが現実的な資金計画になります。
無理をして自分の返済能力を超えた借金をしてしまうと、少しのトラブルで破綻してしまいます。
自分の属性(年収)を客観的に見て、どの金融機関なら相手にしてくれるかを知ることが、資金調達の第一歩です。
戸建て投資の資金とリフォーム
資金が少ない方に私が特におすすめしたいのが、「築古戸建て投資」です。
地方や郊外であれば、数百万円、場合によっては数十万円で売りに出されている戸建てが見つかることもあります。
これなら、多額のローンを組まずに、現金買いや公庫の少額融資でスタートできますよね。
ただし、戸建て投資の肝は「リフォーム費用をいかに抑えるか」にかかっています。
安く買えたとしても、シロアリ被害があったり、水回りが全滅していたりして、修繕に500万円もかかってしまっては意味がありません。
自分で壁紙を貼ったりペンキを塗ったりするDIYでコストダウンを図る大家さんも多いですし、それが楽しみの一つでもあります。
物件価格とリフォーム費用の合計で利回りを計算し、しっかりと利益が出る水準で仕上げる技術が求められます。
大家業は儲からない?資金リスク
よく「不動産投資は儲からない」「やめとけ」といったネガティブな意見を聞くことがありますが、その原因の多くは資金計画の甘さにあります。
特に怖いのが「デッドクロス」という現象です。
これは、減価償却費(経費にできる金額)が減って税金が増える一方で、ローンの元金返済(経費にならない支出)が続くことで、「帳簿上は黒字なのに手元に現金がない」という状態になることです。
これに陥ると、納税資金が足りずに黒字倒産してしまうリスクがあります。
また、変動金利で借りている場合、将来的に金利が上昇すれば返済額が増え、一気に収支が悪化する可能性もあります。
リスクを避けるために
「満室なら儲かる」という楽観的な計画ではなく、「空室率20%でも、金利が1%上がっても耐えられるか」という厳しいシミュレーションをしておくことが、自分を守る最大の防御策になります。
こうした資金繰りの失敗やデッドクロスは、事前の知識さえあれば十分に回避可能です。サラリーマン大家が陥りやすい失敗パターンと対策を事前に押さえておきましょう。
大家になるには資金計画が成功の鍵
大家業は、単に物件を買って家賃をもらうだけの不労所得ではありません。
それは「賃貸経営」という立派な事業であり、資金繰りを管理する経営手腕が問われます。
自己資金をしっかりと貯めて王道のマンション経営を目指すのか、それとも築古戸建てをDIYして高利回りを狙うのか。
正解は一つではなく、あなたの現在の資産状況や目標とする規模によって変わってきます。
まずは、自分がどれくらいの自己資金を用意できて、どれくらいのリスクなら許容できるのか、冷静に資金計画表を作ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。
その一歩が、理想の大家ライフへの確実な足がかりになるはずです。
あなたの年収で「いくら融資が出るか」確認してみませんか?
一般的な目安を知るだけでは、大家への第一歩は踏み出せません。
まずは失敗しないための知識をつけ、プロに「あなたの適正融資額」を診断してもらうことが最短ルートです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資成果を保証するものではありません。不動産投資にはリスクが伴いますので、最終的な投資判断はご自身の責任において行い、必要に応じて専門家にご相談ください。
あわせて読みたい関連記事