
不動産投資を始めたいけれど銀行の審査に通らない、あるいはスピード勝負で魅力的な物件を逃してしまったという経験はありませんか。
そんなときに頼りになるのがノンバンクの不動産投資アパートローンですが、金利が高いことや審査基準が不明確なことで利用をためらっている方も多いはずです。
実はノンバンクは単なる妥協案ではなく、その特徴を正しく理解して活用すれば、資産拡大を加速させる強力な武器になります。
この記事では、ノンバンクを利用するメリットやリスク、おすすめの金融機関について、私の経験も交えながらわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- ノンバンクと銀行の違いやそれぞれの融資の特徴がわかる
- 高利回り物件や築古物件を狙うためのノンバンク活用法が学べる
- 利用する際のリスクと金利負担を軽減するための出口戦略がわかる
- 審査通過のポイントやおすすめのノンバンク情報が得られる
【結論】融資の壁を突破するには「提携ローン」が鍵
個人でノンバンクを開拓するのも一つですが、実は「融資に強い不動産会社」から紹介してもらうことで、金利優遇を受けられるケースが多々あります。
まずは融資付けに定評のある会社を知ることから始めましょう。
ノンバンクの不動産投資アパートローンを活用する戦略的価値
「ノンバンク」と聞くと、なんとなく金利が高くて怖いイメージを持っている方もいるかもしれません。
ですが、不動産投資においてノンバンクは、銀行融資の審査に落ちてしまった場合の「最後の砦」としてだけではなく、戦略的に利益を最大化するための「攻めのツール」としても非常に優秀なんです。
ここでは、銀行との違いやメリット・デメリットを整理して、なぜ投資家たちがノンバンクを利用するのか、その戦略的価値について深掘りしていきましょう。
銀行とノンバンクの違いとは?融資の特徴を比較

まず、基本的なところからお話ししますね。
銀行とノンバンクの最大の違いは、「預金機能があるかどうか」という点です。
銀行は皆さんのお金を預かって、それを元手に融資を行いますが、ノンバンクは預金業務を行わず、自社で調達した資金や市場からの資金を貸し付けています。
この仕組みの違いが、適用される法律や融資スタンスの違いに直結しているんですよ。
- 銀行(都市銀行・地方銀行など)
銀行法が適用されます。金利は低め(1%〜3%程度)ですが、審査は厳格で時間がかかります。個人の属性(年収や勤続年数)を非常に重視する傾向があります。 - ノンバンク(信販会社・消費者金融系など)
貸金業法などが適用されます。金利は高め(3%〜5%以上)ですが、審査スピードが早く柔軟です。物件の担保価値や収益性を重視して評価してくれるケースが多いです。
また、民間の金融機関だけでなく、政府系の金融機関である「日本政策金融公庫」も、条件次第では柔軟な融資が期待できます。ノンバンクと併せて検討することをおすすめします。
私たちが不動産投資をする上で一番感じる違いは、やはり「審査スピード」と「担保評価の柔軟性」ですね。
銀行だと結果が出るまで1ヶ月以上待たされることもザラですが、ノンバンクなら最短数日で回答が来ることもあります。
このスピード感の違いが、競争の激しい優良物件争奪戦では決定的な差になることがあるんです。
不動産投資でノンバンクを利用するメリットと活用法
では、具体的にどのような場面でノンバンクが輝くのでしょうか。
私が考える最大のメリットは、銀行が敬遠しがちな「築古物件」や「再建築不可物件」にも融資が出る可能性があるという点です。
銀行のルールでは「法定耐用年数内での融資」が基本になることが多いですよね。
たとえば木造アパートなら耐用年数は22年ですから、築20年の物件だと融資期間は残り2年...なんてことになりかねません。
これではキャッシュフローが出ないので、実質的に購入不可能です。
ノンバンクの主な活用シーン
- 高利回りの築古物件を購入したい時
法定耐用年数を超えていても、独自の評価基準で融資期間を長く引ける場合があります。 - スピード勝負で物件を押さえたい時
現金買いには勝てなくとも、銀行融資を待っているライバルより早く買付証明書を出せます。 - 属性に不安がある時
転職したばかりや自営業などで、銀行の画一的な審査基準では弾かれてしまう場合に頼りになります。
また、ノンバンクは物件そのものの収益力(稼ぐ力)をしっかり見てくれる傾向があります。
「建物は古くても、立地が良くて満室経営ができているなら価値がある」と判断してくれるわけですね。
高利回りの築古物件をノンバンクの融資で購入し、高い家賃収入でローンを返済しつつ手残りもしっかり確保する。
これが、ノンバンクを活用した不動産投資の王道パターンの一つです。
金利が高い?ノンバンク融資のデメリットとリスク

もちろん、いいことばかりではありません。
ノンバンクを利用する上で絶対に無視できないのが、やはり「金利の高さ」です。
銀行が1〜2%台で借りられるのに対し、ノンバンクは3〜4%台、場合によってはそれ以上の金利設定になることもあります。
不動産投資において、金利1%の違いは総返済額に数百万円単位の影響を与えます。
注意すべきリスク
- キャッシュフローの悪化
金利が高い分、毎月の返済額が増えるため、手元に残る現金(キャッシュフロー)が薄くなりがちです。 - 総量規制の対象になる可能性
個人名義で借りる場合、貸金業法の総量規制(年収の3分の1まで)の影響を受けることがあります。ただし、不動産投資のような事業性資金や、不動産担保ローンは除外・例外となるケースも多いので確認が必要です。(参考:日本貸金業協会「総量規制が適用されない場合について」) - 共同担保を求められることもリスクヘッジのために、購入物件以外に自宅や他の所有物件を共同担保として差し出すよう求められることがあります。
金利が高いということは、空室が出たり修繕費がかさんだりした時に、すぐに収支が赤字転落するリスクがあるということです。
「借りられるから」といって安易に借りると、後で首が回らなくなる可能性も。
だからこそ、ノンバンクを利用する際は、銀行以上にシビアな収支計算が求められるのです。
不動産投資ローンのおすすめノンバンク一覧と特徴
これからノンバンクの利用を検討する方のために、不動産投資家界隈でよく名前が挙がる、代表的な金融機関をいくつかご紹介します。
それぞれ得意とするエリアや物件タイプが違うので、自分の投資スタイルに合うかチェックしてみてください。
- セゾンファンデックス
不動産投資ローンの老舗的な存在です。銀行では対応が難しい築古物件や再建築不可物件にも柔軟に対応してくれるのが最大の強み。審査スピードも速く、事業主としての実績を重視してくれます。 - 三井住友トラスト・ローン&ファイナンス
三井住友信託銀行グループのノンバンクです。こちらも築古や借地権付き建物など、幅広い物件に対応可能。金利は比較的高めですが、独自の審査基準で融資のハードルを下げてくれます。 - オリックス銀行
厳密には銀行ですが、店舗を持たないネット銀行で、アパートローンに関してはノンバンクに近い柔軟性と積極性を持っています。比較的金利も抑えめで、期間も長く引けるため、投資家の間では非常に人気があります。 - SBJ銀行
韓国系の銀行ですが、日本の不動産投資に非常に積極的です。法定耐用年数を超えた融資期間の設定に柔軟で、キャッシュフローが出しやすいのが特徴です。
この他にも、地域限定のノンバンクや信用組合など、選択肢は意外とあります。
「ここはダメでもあそこなら」というケースも多いので、一社断られたくらいで諦めないことが大切ですよ。
さらに、ノンバンクではありませんが、全国の物件に融資を行っている地方銀行として「滋賀銀行」も有名です。年収要件などはありますが、金利を抑えられる可能性もあるため、候補の一つに入れておきましょう。
自分で探すより「提携ローン」が近道
これらの金融機関を個人で一つひとつ回るのも良いですが、効率を考えるなら「すでにこれらの金融機関と太いパイプ(提携)を持つ不動産会社」に物件を紹介してもらうのが最もスムーズです。
特に築古や高利回り物件を専門に扱う業者は、ノンバンク活用のノウハウも豊富です。
住宅ローンとは違う?投資ローンの種類と選び方

初心者がたまに混同してしまうのが「住宅ローン」と「不動産投資ローン(アパートローン)」の違いです。
はっきり言いますが、住宅ローンで投資用物件を買うことは規約違反であり、絶対にやってはいけません。
最悪の場合、一括返済を求められることもあります。
(参考:住宅金融支援機構「【重要】住宅ローン(フラット35)の不正利用(投資用住宅としての利用等)にご注意ください」)
不動産投資用のローンには、大きく分けて「アパートローン」と「プロパーローン」の2種類があります。
ローンの種類の違い
| 種類 | 特徴 |
| アパートローン | パッケージ化された商品。審査基準(年収や物件条件)が決まっており、審査が早い。ノンバンクの多くはこちらの形式を提供しています。 |
| プロパーローン | オーダーメイド型の融資。銀行が個別に審査を行い、融資条件を決定する。上限額などは柔軟だが、実績や信用が必要。 |
ノンバンクを利用する場合は、基本的に「アパートローン(不動産担保ローン)」というパッケージ商品を利用することになります。
商品ごとの条件(金利、期間、融資上限額)があらかじめ決まっているので、自分の条件に当てはまる商品を探すのがスタートラインになりますね。
ノンバンクの不動産投資アパートローン審査と出口戦略
ここからはもう少し実践的な内容に入っていきましょう。
ノンバンクの審査に通るためのポイントと、借りた後にどうやって利益を確定させるかという「出口戦略」についてです。
特に高金利のノンバンク融資では、借りる前の計画性が生死を分けますから、しっかり確認してくださいね。
ノンバンクの審査基準は甘い?融資を通すポイント

よく「ノンバンクは審査が甘い」と言われますが、これは正確ではありません。
「審査がザル」なわけではなく、「評価の軸が銀行とは違う」と言ったほうが正しいでしょう。
銀行が「借りる人の返済能力(属性)」を最優先するのに対し、ノンバンクは「物件の担保価値(換金性)」と「事業性」を重視します。
審査を通すためのポイントは以下の通りです。
- 物件の収益性を証明する
レントロール(家賃表)だけでなく、周辺相場と比較して妥当な家賃設定か、空室が出ても埋まるエリアかなどを資料にまとめてアピールしましょう。 - 担保余力を提示する
もし既に他の不動産を持っている場合や、自宅にローン残債がない場合、それらを共同担保として提供できると審査通過率がグンと上がります。 - 明確な事業計画書を作る
ただ「欲しいから貸して」ではなく、修繕計画や出口戦略を含めた事業計画書を作成し、「この人なら事業を継続できる」と担当者に思わせることが大切です。
「属性が低いからノンバンクなら通るだろう」と安易に申し込むのではなく、物件の価値をしっかりとプレゼンする姿勢が必要ですよ。
ノンバンクの金利相場と返済シミュレーションの重要性
先ほども触れましたが、ノンバンクの金利相場は概ね2.5%〜4.5%程度が一般的です。
この金利帯でフルローン(全額借入)を組んでしまうと、表面利回りが10%あっても、返済後の手残りはスズメの涙...ということも珍しくありません。
例えば、5,000万円を金利4.0%、期間20年で借りた場合、毎月の返済額は約30万円になります。
これに対して家賃収入が毎月40万円だとしたら、管理費や税金、修繕積立を引くと手元にはほとんど残りませんよね。
空室が一つでも出れば、即持ち出し(赤字)になってしまいます。
シミュレーションの鉄則
- ストレスをかけた計算をする
満室想定だけでなく、空室率20%〜30%程度でもローンが返せるか計算してください。 - 金利上昇リスクを考慮する
変動金利の場合、将来金利が上がった時にどうなるかも想定しておきましょう。 - イールドギャップ(利回り差)を意識する
「物件の実質利回り」と「借入金利」の差が十分に確保できているかが重要です。一般的には2%以上の差が欲しいところです。
自己資金や無職でも可能?属性別融資の攻略法

「無職でも不動産投資ローンは組めますか?」という質問をいただくことがありますが、結論から言うと「ノンバンクなら可能性はゼロではない」です。
もちろん、全く資産がない状態では厳しいですが、親から相続した土地がある、あるいは株などの金融資産を潤沢に持っているといった場合、それを担保に融資を引くことは十分に可能です。
これを「資産管理会社」として法人化し、事業実態を作ることで融資を受けるケースもあります。
自己資金については、ノンバンクであっても物件価格の1割〜2割程度を求められることが一般的です。
ただ、物件評価が非常に高く、担保割れのリスクが低いと判断されれば、フルローンに近い条件が出ることも稀にあります。
属性が弱い方こそ、自己資金をしっかり貯めて「本気度」と「安全性」を示すことが、融資攻略のカギになりますね。
実際に不動産投資を始めるために、最低限どのくらいの現金(手付金や諸費用含む)を用意しておくべきかについては、以下の記事で物件価格別にシミュレーションしています。
高金利からの脱出!銀行への借り換えと売却戦略
私が考えるノンバンク活用の最大のポイントは、「ずっと借り続ける必要はない」ということです。
高金利のまま20年も30年も払い続けるのは、正直言って効率が悪いです。
ではどうするか?以下の2つの出口戦略を持っておくことが重要です。
ノンバンク利用後の2大戦略
- 実績を作って銀行へ借り換えを行う
まずはノンバンクで物件を取得し、数年間しっかりと満室経営の実績を作ります。「この物件は儲かっている」「このオーナーは経営能力がある」と証明できれば、金利の低い地銀や信金への「借り換え」ができるチャンスが生まれます。これができれば、キャッシュフローは一気に改善します。 - 短期〜中期で売却(キャピタルゲイン)を狙う
高利回り物件であれば、数年保有して家賃収入(インカムゲイン)を得た後、購入時と同等かそれ以上の価格で売却して利益を確定させるのも手です。ノンバンク融資は「つなぎ資金」的な役割と割り切る考え方ですね。
借りる前から「いつ、どうやってこのローンを終わらせるか」を考えておく。
これが、ノンバンクを使いこなす投資家と、ローンに苦しめられる投資家の分かれ道ですよ。
成功の鍵はノンバンクの不動産投資アパートローン活用法

ここまで解説してきた通り、ノンバンクの不動産投資アパートローンは、使い方次第で毒にも薬にもなります。
銀行審査に通らないからといって悲観的にならず、「ノンバンクを使えば、銀行が手を出さないお宝物件にアプローチできる」とポジティブに捉えてみてください。
最後に、成功するための要点をまとめます。
まとめ:ノンバンク活用の極意
- スピードと柔軟性を活かす
築古・高利回り物件を素早く押さえるためのツールとして割り切る。 - 金利リスクをシミュレーションでカバーする
高金利でも利益が出る物件のみを対象とし、空室リスクも織り込んでおく。 - 出口戦略を明確にする
将来的な「低金利への借り換え」や「売却」を見据えてエントリーする。
不動産投資は情報戦であり、資金調達の手段をいくつ持っているかが勝負を決めます。
ぜひ、ノンバンクという選択肢をあなたの投資戦略に組み込んで、資産形成のスピードを加速させてください。
もちろん、大きな金額が動く投資ですから、最終的な判断はご自身の責任で行い、必要であれば専門家に相談することも忘れないでくださいね。
あなたの不動産投資が成功することを、心から応援しています。
失敗しない物件探しと資金調達のために
ノンバンクを使いこなせば、高利回りの収益物件を手に入れるチャンスは大きく広がります。
しかし、成功のカギは「良い物件」と「最適な融資」をセットで提案してくれるパートナー(不動産会社)を見つけることです。
まずは、信頼できる専門業者の情報をチェックして、あなたに合った会社への相談から始めてみませんか?
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