
「オーナーチェンジ物件の狙い目」と検索しているあなたは、投資先として魅力を感じている一方で、多くの疑問もお持ちではないでしょうか。
オーナーチェンジ物件は、購入後すぐに家賃収入が期待できる反面、危険性もはらんでいます。
例えば、オーナーがなぜ売るのか、売れない物件ではないか、購入後に後悔しないか、といった不安です。
中には、オーナーチェンジ物件の追い出しはできるのか、あるいは自分が住みたいと思った場合の対処法を知りたい方もいるでしょう。
また、オーナーチェンジ物件で戸建てを選ぶメリットや、将来高く売れる物件の見極め方も気になるところです。
この記事では、それらの疑問を解消し、賢い物件選びの方法を解説します。
この記事のポイント
- オーナーチェンジ物件の基本的なメリットとデメリット
- 購入前に確認すべき「危険」な物件の特徴
- 「狙い目」となる物件の具体的な条件
- 購入後のトラブル回避と賢い運用方法
オーナーチェンジ物件の狙い目とリスク
- オーナーチェンジ物件の基本
- 購入で後悔する点
- オーナーチェンジ物件は危険?
- オーナーはなぜ売るのか?
- オーナーチェンジ物件で追い出しは可能か
- オーナーチェンジ物件で戸建てを選ぶ
- 自分が住みたい物件の注意点
- 売れない物件の特徴
- 高く売れる物件の特徴
- オーナーチェンジ物件の狙い目を見極めよう
オーナーチェンジ物件の基本
オーナーチェンジ物件とは、すでに入居者がいる状態(賃貸中)のまま売買される収益物件のことを指します。
最大のメリットは、購入した直後から家賃収入(インカムゲイン)が確実に得られる点です。
通常の不動産投資では、物件購入後に入居者募集を行い、契約が成立するまで家賃が入りません。
しかし、オーナーチェンジ物件では、入居者募集の手間や広告費、リフォーム費用といった初期経費がかからず、空室期間のリスクを回避できます。
例えば、1,000万円で購入した物件の家賃が月8万円であれば、単純計算で年間96万円の収入となり、表面利回りは9.6%となります。
このように、購入時点ですでに収益が確定しているため、資金計画が立てやすいのが特徴です。
ただし、メリットだけではありません。
入居者がいるからこそのデメリットも存在します。
主なメリットとデメリットを以下の表にまとめます。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 収益性 | 購入直後から家賃収入が得られる | 家賃が相場より低い可能性がある(変更不可) |
| 初期費用 | 入居者募集の広告費やリフォーム代が不要 | 室内の状況次第で退去時に高額な修繕費がかかる |
| リスク | 空室リスクを回避できる | 入居者がいるため室内を内覧できない |
| 契約 | 収支計画が立てやすい | 前オーナーの賃貸借契約をそのまま引き継ぐ |
オーナーチェンジ物件購入で後悔する点

購入後に「こんなはずではなかった」と後悔するケースも少なくありません。
オーナーチェンジ物件特有のリスクを理解していないと、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
主な後悔のポイントは、「想定外の出費」と「入居者に関する問題」です。
後悔する主なケース
- 室内の状況が不明だった
最大のデメリットですが、入居者が退去した後に初めて室内の状況を確認し、想像以上の汚れや設備の故障、劣化が発覚することがあります。この場合、高額なリフォーム費用や設備交換費用が発生し、収支計画が大幅に狂ってしまいます。 - 管理費や修繕積立金の滞納
マンションの場合、前オーナーが管理費や修繕積立金を滞納しているケースがあります。この滞納金は、新しいオーナー(購入者)に支払い義務が引き継がれます。購入費用とは別に、数十万円単位の支払いを求められることもあります。 - 家賃が相場より著しく低い
前オーナーが入居者と結んだ賃貸借契約をそのまま引き継ぐため、現在の家賃が周辺の相場より大幅に低く設定されていても、オーナーの都合で一方的に値上げすることはできません。
これらの後悔を避けるため、購入前に「重要事項説明書」や「管理規約」「長期修繕計画書」を徹底的に確認することが不可欠です。
特に、管理費の滞納履歴や、将来の修繕積立金が不足していないかは必ずチェックしましょう。
オーナーチェンジ物件は危険?

オーナーチェンジ物件が「危険」と言われることがありますが、これはリスクを正しく把握していない場合に当てはまります。
危険とされる主な理由は、物件や入居者の「見えない情報」を把握しにくい点にあります。
具体的には、以下のようなリスクが潜んでいます。
家賃滞納リスク
現在は家賃を支払っていても、将来的に滞納が発生する可能性はゼロではありません。
入居者の職業や収入状況は把握しにくいため、このリスクは常に伴います。
ここで重要なのが「保証会社」への加入状況です。
もし入居者が保証会社に加入していれば、万が一滞納があっても保証会社が立て替えてくれます。
逆に、加入していない場合や、保証が切れている場合はリスクが非常に高くなります。
建物管理の問題
マンションの場合、修繕積立金が計画通りに集まっていないと、将来の大規模修繕の際に一時金として多額の費用を徴収される危険があります。
総戸数が少ないマンションほど、一戸あたりの負担額が高くなる傾向があるため注意が必要です。
入居者の質の問題
室内の内覧ができないため、入居者がどのような人か(騒音、ゴミ出し、近隣トラブルなど)を事前に知ることは困難です。
もし問題のある入居者だった場合、その対応に苦慮することになります。
これらのリスクは、購入前に管理会社からのヒアリングや、レントロール(家賃台帳)の確認を徹底することで、ある程度回避できます。
危険性を理解した上で、対策を講じることが重要です。
オーナーはなぜ売るのか?

購入を検討する際、「なぜ今のオーナーはこの物件を売るのだろうか?」と疑問に思うのは当然です。
売却理由には、ポジティブなものとネガティブなものがあります。
ポジティブな売却理由
- 利益確定(キャピタルゲイン)
物件価格が購入時よりも高騰したため、良いタイミングで売却して利益を確定させたい。 - 資産の組み換え
この物件を売却した資金で、別の(より大型の、あるいは別のエリアの)不動産を購入したい。 - 現金化の必要性
相続税の支払いや、事業資金、子供の教育費など、不動産とは別の理由でまとまった現金が必要になった。
ネガティブな売却理由
- 運営上の問題
家賃滞納が続いている、入居者トラブルが多くて疲弊した。 - キャッシュフローの悪化:管理費の値上がりやローンの金利上昇で、手残りが少なくなった(あるいは赤字になった)。
- 大規模修繕の回避
近い将来に大規模修繕が予定されており、多額の出費が見込まれるため、その前に手放したい。
もちろん、全ての売主が本当の理由を話すとは限りません。
しかし、物件の状況(築年数、修繕履歴、周辺相場)と照らし合わせることで、ネガティブな理由が隠れていないか推測することは可能です。
不動産会社の担当者に、差し支えない範囲で確認してみるのも良いでしょう。
オーナーチェンジ物件で追い出しは可能か
結論から言うと、オーナーの都合で入居者を「追い出し」することは原則としてできません。
日本の法律である「借地借家法」では、入居者(借主)の居住権が非常に強く保護されています。
たとえオーナーであっても、正当な理由なく契約を解除したり、更新を拒否したりすることは認められていません。
「正当事由」がなければ退去は求められない
オーナー側から契約解除を申し出るには、「正当事由」が必要です。
正当事由とは、「建物の老朽化が著しく、倒壊の危険があるため建て替える必要がある」「オーナー自身が病気などで、どうしてもその物件に住まなければ生活できない」といった、非常に切実な事情を指します。
単に「家賃を上げたいから別の人に貸したい」「相場より安いから出ていってほしい」という理由は、正当事由として認められません。
仮に正当事由が認められる場合でも、多くの場合、オーナーから入居者へ高額な「立ち退き料」を支払うことで合意に至るのが実情です。
賢いオーナーチェンジ物件の狙い目とは
- オーナーチェンジ物件の基本
- オーナーチェンジ物件購入で後悔する点
- オーナーチェンジ物件は危険?
- オーナーはなぜ売るのか?
- オーナーチェンジ物件で追い出しは可能か
- オーナーチェンジ物件で戸建てを選ぶ
- 自分が住みたい物件の注意点
- 売れない物件の特徴
- 高く売れる物件の特徴
- オーナーチェンジ物件の狙い目を見極めよう
オーナーチェンジ物件で戸建てを選ぶ

オーナーチェンジ物件というとマンションの一室をイメージしがちですが、戸建ても狙い目の一つです。
アパートやマンション投資とは異なる特徴があります。
最大のメリットは、入居期間が長くなる傾向がある点です。
戸建てを借りるのは主にファミリー層であり、子供の学校区などの問題から、一度入居すると5年、10年と長く住み続けるケースが多くなります。
これにより、空室リスクが低減し、安定した長期的な家賃収入が期待できます。
一方で、アパートやマンションと違い、建物全体の修繕(屋根、外壁、給湯器など)をすべてオーナーが単独で負担しなければならないデメリットもあります。
修繕積立金のような仕組みがないため、計画的に費用を準備しておく必要があります。
特に狙い目なのが、投資家向けのポータルサイトではなく、地元の不動産会社のサイトに「賃貸中」とのみ記載されている戸建てです。
このような物件は、投資家の目に付きにくく、売り慣れていない売主である可能性があり、価格交渉がしやすい場合があります。
物件の種類ごとに特徴が異なるため、以下の比較表を参考にしてください。
| 種別 | 主な入居者 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 区分マンション | 単身者・二人世帯 | ・流動性が高く売却しやすい ・建物全体の管理は組合任せで良い | ・管理費、修繕積立金の負担がある ・空室になると収入ゼロ |
| 戸建て | ファミリー層 | ・長期入居が期待でき安定 ・土地が資産として残る | ・修繕費が全額自己負担 ・流動性がやや低い |
| 一棟アパート | 単身者・ファミリー | ・家賃収入が大きい ・空室リスクが分散される | ・初期投資が高額 ・建物全体の管理責任を負う |
自分が住みたい物件の注意点
「将来は自分が住みたいから、良い立地のオーナーチェンジ物件を買っておこう」と考える方もいるでしょう。
この視点は、地域の賃貸需要を見極める上で非常に有効です。
自分が住みたいと思える場所は、他の多くの人にとっても魅力的であり、空室リスクが低い優良物件である可能性が高いためです。
ただし、購入する際には重大な注意点があります。
前述の通り、入居者の居住権は非常に強く保護されています。
「自分が住みたいから」という理由は、法律上の「正当事由」としては認められにくいのが現状です。
そのため、自分が希望するタイミングで入居者が退去してくれるとは限りません。
入居者が契約更新を希望すれば、オーナーは原則として拒否できず、立ち退きを交渉するには高額な立ち退き料が必要になる可能性が高いです。
「自分が住みたい」という視点は、あくまで「優良な投資物件を選ぶための基準」として活用しましょう。
「いつかは住めるかもしれない」程度に考え、すぐには住めないことを前提に資金計画を立てることが賢明です。
売れない物件の特徴

不動産投資は、家賃収入(インカムゲイン)だけでなく、最終的に売却する際の利益(キャピタルゲイン)も重要です。
いわゆる「出口戦略」が難しい、売れない物件には共通する特徴があります。
注意すべき「売れない物件」の特徴
- 立地が悪い
最寄り駅から徒歩15分以上かかる、周辺にスーパーやコンビニがないなど、生活利便性が低く賃貸需要の乏しいエリアの物件。 - 管理状態が悪いマンション
管理費や修繕積立金の滞納者が多い、または積立金が不足しているマンション。次の買い手も同じ不安を抱くため、敬遠されます。 - 高額な管理費・修繕積立金
買取業者の視点では、管理費と修繕積立金の合計が3万円を超えると、所有リスクが高いと判断され、買い手が見つかりにくくなる傾向があります。 - 旧耐震基準・違法建築
1981年(昭和56年)6月1日より前に建築確認を受けた「旧耐震基準」の物件(参照:国土交通省「耐震基準の変遷」)や、法律上の問題(再建築不可など)を抱える物件は、金融機関の融資が付きにくいため、買い手が極端に限られます。
利回りが高く見えても、上記のような特徴を持つ物件は、将来的に売却できず「負の資産」となるリスクがあるため、避けるのが賢明です。
高く売れる物件の特徴
逆に、購入時よりも高く売れる可能性を秘めた、資産価値の高い物件も存在します。
これらの物件は、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える「狙い目」と言えるでしょう。
高く売れる(資産価値が落ちにくい)物件
- 圧倒的に立地が良い
都心部、ターミナル駅の駅近、再開発が予定されているエリアなど、将来にわたって賃貸需要が底堅い場所。 - 管理体制が良好なマンション
管理組合がしっかりと機能し、長期修繕計画が適切に実行され、積立金も潤沢にある物件。築年数が古くても評価されます。 - 希少性がある
そのエリアで供給が少ない間取り(例:広い1LDK)や、デザイン性が高いなど、他の物件と差別化できる要素がある。
不動産投資では、築年数、駅からの距離、利便性が重要な指標であることは間違いありません。
しかし、それらの条件が良くても管理が悪ければ資産価値は下落します。
購入後の家賃収入だけでなく、数年後に売却することも視野に入れ、総合的に「安心して買ってもらえる物件」かどうかを見極める姿勢が求められます。
オーナーチェンジ物件の狙い目を見極めよう

この記事の要点をまとめます。
自分に合ったオーナーチェンジ物件の狙い目が見つかったら、次は不動産ポータルサイトでの物件収集や、不動産会社への問い合わせを始めましょう。
- オーナーチェンジ物件は入居者がいる状態で売買される
- 購入後すぐ家賃収入が得られるのが最大のメリット
- 入居者募集の手間や空室リスクがない
- 購入前に室内を直接確認できないデメリットがある
- 家賃変更や契約内容の変更は前オーナーの契約を引き継ぐ
- 前所有者の管理費滞納は新オーナーが引き継ぐ義務がある
- 危険とされる理由は情報が把握しにくい点にある
- 家賃滞納リスクには保証会社の加入状況の確認が不可欠
- 売却理由は資産の組み換えなどポジティブな場合もある
- 入居者の「追い出し」は正当事由がない限りほぼ不可能
- 戸建ては長期入居が期待できるが修繕費は全額自己負担
- 地元の不動産屋にしかない戸建ては狙い目の場合がある
- 「自分が住みたい」物件は賃貸需要が高いがすぐには住めない
- 管理費や修繕積立金が高すぎる物件は売れないリスクがある
- 高く売れる物件は好立地と管理体制の良さが鍵となる
- リスクを理解し余裕を持った運用を目指すことが重要