大手だから安心だと思っていたのに、サブリースが解約できない。
そんな八方塞がりな状況に、頭を抱えていませんか。
なぜサブリースが解約できないのか、その最大の理由は借地借家法にあります。
解約には厳しいサブリース解約の正当事由が求められ、過去のサブリース契約解除の判例を見ても、オーナー側の主張が認められるのは稀です。
無理に解約を進めようとすれば、サブリース解約の違約金相場や高額なサブリース解約の弁護士費用が重くのしかかります。
さらに、サブリースの2025年問題も目前に迫り、状況はより深刻化するかもしれません。
「サブリースを解約して自分で住む」ことも現実的ではなく、結果として「サブリース物件は売却できない」と諦めてしまうオーナーが後を絶ちません。
しかし、本当に投資用マンションのサブリース売却やサブリースオーナーチェンジは不可能なのでしょうか。
いいえ、実は専門のサブリース買取業者に相談するという、最後の、そして最も賢明な出口戦略が存在するのです。
この記事でわかる事
- なぜ大手のサブリース契約が法的に解約困難なのか
- 解約に必要な正当事由や違約金のリアルな相場
- 解約以外の出口戦略「売却」という選択肢の可能性
- 専門の買取業者に相談する具体的なメリット
なぜ大手サブリースは解約できないのか
- サブリース解約できない借地借家法の壁
- 認められないサブリース解約の正当事由
- サブリース契約解除の判例から学ぶ現実
- 解約の違約金相場と弁護士費用
- 追い打ちをかけるサブリースの2025年問題
- サブリース物件は本当に売却できないのか
- 投資用マンションのサブリース売却という選択
- サブリースのままオーナーチェンジする方法
- 専門の買取業者に相談するメリット
- サブリース解約後に自分で住むのは非現実的
- 大手サブリースが解約できない時の最終手段
サブリース解約できない借地借家法の壁
「契約書には解約できると書いてあるのに、なぜ解約に応じてくれないのか」。
多くのオーナーが直面するこの疑問の答えは、「借地借家法」という法律の存在にあります。
この法律が、大手サブリースを解約できない最大の壁として立ちはだかっているのです。
サブリース契約において、物件の所有者であるあなたは「貸主」、そして物件を一括で借り上げているサブリース会社は「借主」という立場になります。
借地借家法は、本来、立場が弱くなりがちな借主を保護するために作られた法律です。
そのため、貸主からの一方的な契約解除や更新拒絶に対して、厳しい制限を設けています。
法律上の立場が逆転する
問題なのは、サブリース契約では、社会的・経済的にはるかに強者であるはずの大手不動産会社が「借主」として、この法律の手厚い保護を受けてしまう点です。
これにより、個人であるオーナーが「貸主」として、逆に弱い立場に置かれるという逆転現象が生じてしまいます。
具体的には、借地借家法第28条により、貸主(オーナー)から契約を解約するためには、「正当な事由」がなければならないと定められています。
たとえ契約書に「オーナーから解約できる」という条項があったとしても、この法律が優先されるため、サブリース会社が合意しなければ、解約は極めて困難になるのが現実です。
認められないサブリース解約の正当事由
では、借地借家法で求められる「正当事由」とは、具体的にどのようなものでしょうか。
結論から言うと、オーナー側の経済的な都合は、ほとんどの場合、正当事由として認められません。
例えば、以下のような理由は、正当事由には該当しないとされることが大半です。
- 「思ったより儲からないので、自分で経営したい」
- 「もっと条件の良い管理会社に切り替えたい」
- 「高く売れるうちに売却して利益を確定させたい」
これらは全て、貸主側の一方的な利益追求と見なされ、借主であるサブリース会社の事業継続の権利を覆すほどの理由にはならないのです。
「自分の物件なのに、どうして自由にできないんだ」と感じるのが当然ですよね。
しかし、法律上はサブリース会社に「借りて事業を続ける権利」が認められているため、このような理不尽とも思える状況が生まれてしまうのです。
正当事由として認められる可能性があるのは、「建物の老朽化が著しく、倒壊の危険があるため、建て替えが必要」といった、物理的に賃貸が不可能な場合や、「オーナーが全財産を失い、その物件に住まなければ生活できない」といった、極めて限定的なケースに限られます。
そのため、通常の経済状況下でサブリース契約を解約しようとしても、「正当事由がない」として、交渉のテーブルにさえつけないことが多いのです。
サブリース契約解除の判例から学ぶ現実
実際に、サブリース契約の解除を巡るトラブルは、数多く裁判にまで発展しています。
しかし、過去のサブリース契約解除の判例を調べてみると、オーナー側の主張が全面的に認められたケースは非常に少ないのが現実です。
多くの判例で裁判所が重視するのは、「契約解除によって、借主(サブリース会社)の事業にどれだけの影響が出るか」という点です。
サブリース会社は、その物件を転貸することで収益を上げており、事業として物件を使用する必要性が高いと判断されます。
一方で、オーナー側の「もっと儲けたい」といった理由は、サブリース会社の事業継続の必要性に比べると優先度が低いと見なされがちです。
「立ち退き料」による解決
オーナー側の解約が認められた数少ない判例でも、その多くは「高額な立ち退き料(財産上の給付)を支払うこと」を条件としています。
これは、オーナーが主張する正当事由の弱さを、金銭で補うという考え方です。
つまり、裁判で解約を勝ち取るというよりは、実質的にお金で解決する形になることがほとんどであり、オーナーには大きな金銭的負担が伴います。
これらの判例から学べる現実は、「解約を求めて法的に争うのは、時間も費用もかかる上に、勝ち目の薄い戦いである」ということです。
この厳しい現実を直視することが、次の賢明な一手につながります。
解約の違約金相場と弁護士費用
仮に、サブリース会社との交渉の末、解約に合意してもらえたとしても、通常は多額の費用負担から逃れることはできません。
まず、契約書に定められた「違約金」の支払いが発生します。
サブリース解約の違約金相場は、一般的に家賃収入の6ヶ月分から1年分と言われていますが、法的な上限はなく、会社によってはそれ以上の高額な設定をしているケースもあります。
例えば、月間の保証家賃が50万円の物件で、違約金が6ヶ月分だとしても、それだけで300万円の支出です。
違約金が二重に発生するケース
特に注意が必要なのは、サブリース会社がさらに別の関連会社に転貸しているような複雑な契約形態です。
この場合、それぞれの契約に対して違約金が発生し、想定の2倍の違約金を請求されるというトラブルも報告されています。
さらに、交渉が難航し、弁護士に依頼することになれば、当然ながらサブリース解約の弁護士費用も必要になります。
弁護士費用は、相談料、着手金、成功報酬などで構成され、案件の難易度にもよりますが、総額で100万円以上になることも珍しくありません。
つまり、サブリース契約を解約するという選択は、数百万円単位のまとまった資金がなければ、実行することさえ困難なのです。
この金銭的負担の大きさが、多くのオーナーを「解約したくてもできない」状況に追い込んでいます。
「解約は無理かもしれない…」と、諦めかけていませんか?
ご安心ください。戦う相手を変えれば、出口は見つかります。
解約という困難な道を選ばなくても、あなたの資産を適正価格で売却し、この問題から解放される方法が存在します。
追い打ちをかけるサブリースの2025年問題
現在、サブリース契約で悩んでいるオーナーにとって、事態をさらに深刻化させる可能性のある問題が目前に迫っています。
それが、「サブリースの2025年問題」です。
この問題の背景には、2015年の相続税法改正があります。
この法改正をきっかけに、相続税対策としてアパートなどを建設し、サブリース契約を結ぶ人が急増しました。
多くのサブリース契約では、築10年を迎えるタイミングで、賃料の大規模な見直しが行われます。
つまり、2015年前後に契約が急増した物件が、ちょうど10年目にあたる2025年に、一斉に賃料減額交渉の時期を迎えるのです。
なぜ2025年が危険なのか?
2025年は、団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、日本の人口構造が大きく変わる年でもあります。
賃貸需要の先細りが懸念される中で、サブリース会社は経営リスクを回避するため、これまで以上に強気な姿勢で、大幅な賃料減額をオーナーに要求してくると予想されています。
ただでさえ収支が厳しい状況で、ここからさらに賃料を下げられては、ローン返済もままならなくなるオーナーが続出するかもしれません。
「それなら解約すればいい」と思っても、これまで解説してきた通り、解約は容易ではありません。
まさに、進むも地獄、退くも地獄という状況に追い込まれるオーナーが増えるのではないかと、深刻に懸念されているのが2025年問題なのです。
サブリース解約できない大手が相手でも『出口はある』
- サブリース解約できない借地借家法の壁
- 認められないサブリース解約の正当事由
- サブリース契約解除の判例から学ぶ現実
- 解約の違約金相場と弁護士費用
- 追い打ちをかけるサブリースの2025年問題
- サブリース物件は本当に売却できないのか
- 投資用マンションのサブリース売却という選択
- サブリースのままオーナーチェンジする方法
- 専門の買取業者に相談するメリット
- サブリース解約後に自分で住むのは非現実的
- 大手サブリースが解約できない時の最終手段
サブリース物件は本当に売却できないのか
ここまで解説してきた通り、大手サブリース契約の解約は極めて困難です。
その結果、多くのオーナーが「この物件はもうどうすることもできない」「サブリース物件は売却できない」と、諦めの境地に陥ってしまいます。
しかし、それは正確ではありません。
正しくは、「一般の市場では、非常に売却しにくい」というのが事実です。
一般の不動産投資家がサブリース付きの物件を敬遠するのには、明確な理由があります。
一般投資家がサブリース物件を嫌う理由
サブリースが敬遠される理由
- 利回りが低い
サブリース手数料が引かれているため、周辺の同様の物件に比べて表面利回りが低く、投資対象としての魅力に欠けます。 - 経営の自由度がない
家賃設定や入居者の選定、リフォームなどを自分で行えず、投資の醍醐味である「創意工夫による価値向上」ができません。 - 将来のリスク
購入後に自分がサブリース会社と解約交渉をしなければならないリスクを、わざわざ引き継ぎたいと考える投資家は稀です。
これらの理由から、通常の不動産仲介会社に売却を依頼しても、買い手が見つからず、時間だけが過ぎていくケースがほとんどです。
しかし、「一般の市場で売りにくい」というだけで、「売却する方法がない」わけではありません。
発想を転換し、戦う相手を変えることで、出口は見えてくるのです。
投資用マンションのサブリース売却という選択
大手サブリース会社との解約交渉は、時間と費用、そして精神力をすり減らす、勝ち目の薄い「交渉戦」です。
この不毛な戦いに固執するのではなく、発想を180度転換することが、状況を打開する鍵となります。
それが、「解約」ではなく「売却」によって、問題を根本から解決するという出口戦略です。
投資用マンションのサブリース売却という選択肢には、交渉を続けることにはない、大きなメリットがあります。
「売却」という出口戦略のメリット
- 損失の確定と解放
売却によって、将来にわたって続くかもしれない赤字や、賃料減額の恐怖から完全に解放されます。損失は確定しますが、それ以上の損失拡大を防ぐ「損切り」として、極めて有効な手段です。 - 時間の節約
何年かかるか分からない交渉や裁判に時間を費やすことなく、スピーディーに問題を解決できます。 - 新たなスタート
負の資産を手放すことで得た資金と時間、そして精神的な余裕を、次のより良い投資や、人生の他の側面に使うことができます。
この問題の本質は、「契約を解除すること」ではなく、「この苦しい状況から解放されること」にあるはずです。
そう考えれば、解約せずに物件ごと手放してしまう「売却」こそが、最も賢明で現実的な解決策であることに気づくでしょう。
サブリースのままオーナーチェンジする方法
「売却」という出口戦略には、大きく分けて2つの方法があります。
その一つが、サブリース契約を新しい買主に引き継いでもらう形で売却する、「サブリースオーナーチェンジ」です。
この方法の最大のメリットは、サブリース会社との解約交渉が一切不要である点です。
あなたは、サブリース契約の当事者という地位を、そのまま買主に譲渡するだけです。
しかし、前述の通り、一般の投資家はサブリース付き物件を好みません。
では、どのような買主であれば、この条件を受け入れる可能性があるのでしょうか。
例えば、不動産投資は初めてで、「とにかく手間をかけずに始めたい」と考えている初心者の方や、「細かい経営は専門家に任せたい」という一部の富裕層などがターゲットになるかもしれません。
ただ、そのような買主を見つけるのは容易ではありません。
仮に見つかったとしても、買主はサブリース契約が付いていることを理由に、大幅な価格交渉を要求してくることがほとんどです。
周辺の相場よりもかなり安い価格でなければ、売却は難しいでしょう。
サブリースのままオーナーチェンジする方法は、理論的には可能ですが、価格面で大きな妥協が必要になることを覚悟しておく必要があります。
専門の買取業者に相談するメリット
そこでもう一つの、そして最も現実的で強力な解決策となるのが、専門のサブリース買取業者に直接物件を売却する方法です。
サブリース買取業者とは、一般市場では流通しにくい、サブリース契約付きのような「訳あり物件」を専門に買い取っている不動産会社です。
なぜ彼らは、一般の投資家が嫌う物件を買い取ることができるのでしょうか。
それは、彼らがサブリース契約の法的な扱いや、サブリース会社との交渉ノウハウを熟知しているプロだからです。
彼らは物件を買い取った後、自社のノウハウでサブリース会社と交渉して契約を解除したり、あるいは契約を維持したまま収益性を改善したりして、再販・運用する力を持っています。
専門の買取業者に相談する5つのメリット
買取業者に相談するメリット
- スピーディーな現金化
買主を探す必要がなく、業者が直接買い取るため、最短数日~数週間で売却が完了します。 - サブリース契約のままでOK
面倒な解約交渉は一切不要。現状のまま引き取ってもらえます。 - 仲介手数料が不要
買取は仲介ではないため、売却価格の3%+6万円といった仲介手数料がかかりません。 - 契約不適合責任の免除
売却後に物件の欠陥が見つかっても、売主が責任を問われることは基本的にありません。 - 周囲に知られずに売却可能
広告活動を行わないため、近隣や入居者に知られることなく、秘密裏に売却を進められます。
価格は一般市場の相場よりは安くなる傾向がありますが、時間や手間、将来のリスクを総合的に考えれば、最も費用対効果の高い選択肢となる可能性が非常に高いです。
八方塞がりの状況にいるオーナーにとって、専門の買取業者は、まさに駆け込み寺のような存在といえるでしょう。(そもそも不動産の「買取」と「仲介」の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。)
では、あなたの状況を理解してくれる
「専門の買取業者」をどうやって見つけるのか?
最も効率的で間違いのない方法が、複数の優良業者に一括で査定を依頼できるサイトの活用です。
以下の記事で、実績豊富で信頼できるサイトだけを厳選してご紹介しています。
サブリース解約後に自分で住むのは非現実的
追い詰められたオーナーの中には、「もう誰にも貸さない。
解約して自分で住む」という選択を考える方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、「自己使用の必要性」は、正当事由の中でも比較的認められやすい要素の一つです。
しかし、この選択肢は、あなたが考えている以上にハードルが高く、非現実的であると言わざるを得ません。
まず、たとえ自己使用が目的であっても、サブリース会社がすんなりと解約に合意するわけではありません。
「他に住む場所はないのか」「本当にそこに住む必要があるのか」など、あなたのプライベートにまで踏み込んだ厳しい追及を受ける可能性があります。
最終的に裁判になった場合、あなたの経済状況などを総合的に判断され、自己使用の必要性が低いと見なされれば、主張は認められません。
入居者の立ち退きという、もう一つの壁
さらに大きな問題は、現在入居している方の存在です。
サブリース契約を解約できたとしても、入居者とサブリース会社との間の転貸借契約が自動的に終了するわけではありません。
次はその入居者に対して、あなたが直接、立ち退き交渉を行う必要が出てきます。
入居者も借地借家法で保護されており、立ち退いてもらうには、やはり正当事由と高額な立ち退き料が必要になります。
つまり、「サブリース解約後に自分で住む」という目標を達成するためには、サブリース会社と入居者という、二つの手ごわい相手との交渉を乗り越えなければならないのです。
この二重の障壁を考えると、この選択肢がいかに困難な道であるかがお分かりいただけるでしょう。
あなたの資産価値を把握することが
全ての始まりです
ここまでお読みいただき、「売却」という出口戦略の有効性をご理解いただけたかと思います。しかし、ここで絶対にやってはいけないのが、1社だけに査定を依頼して、その価格を鵜呑みにしてしまうことです。
あなたの物件のような「訳あり物件」こそ、業者によって評価額が大きく異なります。
最も高く評価してくれる専門業者を見つけ出すためには、複数の会社に査定を依頼し、比較検討することが不可欠です。
以下の記事では、匿名で利用できるサイトも含め、信頼できる不動産一括査定サイトだけを厳選して比較しています。
大手サブリースが解約できない時の最終手段
- 大手サブリースが解約できない最大の壁は借地借家法にある
- 借地借家法では借主であるサブリース会社が手厚く保護される
- オーナー側の経済的事情はサブリース解約の正当事由になりにくい
- 過去のサブリース契約解除の判例を見てもオーナー側の勝率は低い
- 解約には高額な違約金相場に加え弁護士費用もかかる可能性がある
- 2025年問題により今後さらに賃料減額リスクが高まる
- サブリース物件は売却できないのではなく一般市場で売りにくいのが実情
- 解約に固執せず投資用マンションのサブリース売却が出口戦略となる
- サブリースのままオーナーチェンジする方法は価格が安くなる傾向がある
- 専門の買取業者への売却が最も現実的でスピーディーな解決策
- 買取業者なら面倒な交渉不要で現状のまま引き取ってもらえる
- サブリース解約後に自分で住む選択は二重の交渉が必要で非現実的
- 大手サブリースが解約できない時の最終手段は売却という発想転換
- そして全ての始まりは自分の資産価値を正確に把握することにある